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05/23 重要文化財の本殿が消失
 今朝は悲しいニュースがもうひとつ。大阪府吹田市の吉志部神社にあった国の重要文化財に指定された本殿が全焼。わが国もかという気になった。吉志部神社本殿は1610年に建てられた桃山様式の建物だった。ただし、拝殿が覆屋としてすっぽりかぶさっていたので見ることができなかったらしい。ということは、拝殿も焼けたということか。出火原因が放火ではないことを願うばかりだ。
 昭和25年に制定された文化財保護法施行以後、建築物に限っていうと平成18年のデータで焼失が15棟、焼損が67棟だったとのこと。落雷対策、初期消火対策が進んで大きな延焼が少なかっただけに残念だ。


05/23 平泉の世界遺産登録が延期か
 5月22日、「平泉-浄土思想に関連する文化的景観」について、国連教育科学文化機関世界遺産委員会(ユネスコ)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)から世界文化遺産への登録を延期すべきだとの勧告を同委員会事務局に通知した。このため、今年の6月に開かれる世界遺産委員会での登録は極めて困難になった。延期すべき勧告にいたった理由は、平泉の登録候補物件と浄土思想の関係が不明瞭とのことである。
 そもそも日本の世界遺産は欧米人には理解しがたいものが昔からあった。例えば、法隆寺や姫路城などの木造の物件がそうだ。これらの建物は建築後に何度か解体修理され、その都度、使えなくなった柱や梁などの木材を交換している。この解体修理という作業によって、欧米人からは新しい建物だという見識をもたれたという。西洋の建築は基本的に石材で作られており、一度立てられたら半永久的にそのままでいるらしい。そんなわけで、ピザの斜塔を解体して傾斜を戻すなんて発想はない。
 ようは、西洋の建築文化と東洋の建築文化は大きく違っており、この違いをユネスコはきちんと認識してくれてはいるようだ。
 とは言え、「浄土思想」という日本人でもわかりにくい思想と、文化的景観の関係をきちんと伝えるのは時間がかかりそうだ。個人的には中尊寺、毛越寺、無量光院跡などの遺跡には館や平泉独特の感性が表現された鎌倉時代の庭園、さらには荘園(ぱっと見はただの田んぼ)があり、鎌倉時代の遺構がよく残っているとは思うのだが。

09/17 東京23区に世界遺産の文化遺産が誕生か
 新聞報道によると、政府は9/14に国立・西洋美術館本館(1959年・東京・上野)について、世界文化遺産への登録を推薦することを決めたとのこと。国立西洋美術館・本館は近代建築の巨匠とされるフランスの建築家、ル・コルビュジエ(1887~1965)が設計したたてもので、フランスやスイスなど7ヵ国と連盟でコルビュジエの作品を推薦する予定とのこと。早ければ平成21年の世界遺産委員会で可否が審議され、登録されれば、複数国にまたがる個人の作品群としては初の世界遺産となるようである。

 個人の作品群としてはアントニ・ガウディ(1852~1926)のアントニ・ガウディの作品群がすでに世界遺産に登録されている。こちらは近代建築だが、すべてスペイン国内に閉じている。近代建築が世界的に与えた影響という意味ではル・コルビュジエの作品群には文化的な価値が十分に思える。一方では日本ではそれほど知名度が高くなく、政府としても予想外の展開だったらしい。

 日本での知名度といえば、豊郷小学校で話題になっていたウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964)に分が上がりそうだ。ウィリアム・メレル・ヴォーリズはアメリカに生まれ、英語科教師として1905年に来日し、1941年に帰化した日本人である。彼が手がけた主な建物は有名なものだけでも、明治学院大学礼拝堂、関西学院大学、日本基督教団大阪教会、旧神戸ユニオン教会、同志社大学今出川キャンパス内校舎などがあげられる。海外の人物が日本の建築史に与えた建物として文化的な価値は十分あるが、残念ながら日本に閉じている。

 世界遺産の登録で最近違和感を感じ始めたのだが、世界遺産とはそもそも何なのか。最近は世界遺産の登録が増えすぎ、登録を抑制するとともに、世界遺産の考え方が生まれたため先行して数多く登録されていたヨーロッパ偏重から、まだあまり多く登録されていない国の登録や単一性を重視する傾向に変わってきているらしい。

 イメージだけで言うと文化遺産は昔は単に古い建物といった感じだったが、近年は石見銀山を始めとする近代建築の登録を増やしているとのこと。さらに、日本には富岡製糸場と絹産業遺産群も世界遺産暫定リスト入りしている。○○史に世界的な影響を与えた△△という意味では、環境に配慮した銀の採掘で世界に輸出をし、鉱山と銀製品の産業史に影響を与えた石見銀山、明治時代に絹の生産を基幹産業として富国強兵政策に多大な影響を与えた、かつ世界に輸出していた富岡製糸場といったところか。この手の○○、△△はまだまだいっぱいありそうだ。近代遺産は比較的軽視される傾向にあるので、世界遺産の指定は単なる観光資源だけではなく、恒久保存という意味で十分に価値があるようにも思える。

07/10 北海道遺産について
列島宝物館に北海道遺産の情報を追加しました。北海道遺産とは北海道遺産構想推進協議会が策定したもので、次世代へと引き継ぎたいと思う有形・無形の財産のうち北海道民の宝物を計52件選定しています。世界遺産や国宝などとは評価基準が大きく違って、地域の思い入れを重要視しているようです。

10/22 大名庭園の世界遺産
 日本古来のもので日本が自信を持って世界に紹介できるものということで、江戸時代の大名庭園があげられる。江戸時代に全国各地の大名たちが美を競い合ってつくったものである。世界的に見ても日本庭園とも呼ばれる大名庭園は別格である。

 既に世界遺産に登録されているものに二条城の二の丸庭園が上げられる。こちらは国の特別史跡・特別名称にもなっている。大名庭園ではないが庭園として登録されているものには、琉球王国の庭園として識名園もあげられる。

 その他、庭園の美しさを重視し、歴史的な背景をそれほど気にせずに是非世界各国に見せたい庭園といえば、兼六園、後楽園、浜離宮恩賜庭園、栗林公園が思い浮かぶ。これらの庭園を一括しても良いので世界遺産に登録するという動きが本格化してもらいたい。

 ちなみに、江戸の下屋敷でもあった浜離宮恩賜庭園は徳川幕府の離宮にもなったから特に格式高い。

 一方、兼六園、後楽園、栗林公園といったところは大名居城の庭園だったこれらの庭園には、居城とセットでと言いたいところだが残念ながらどの城も天守閣はもちろん、城郭の遺構もほとんど残っていない。そんなわけで、城郭遺構に庭園もセットで世界遺産に登録というわけにはいかなそうである。

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